投稿論文 症例
小児の肛門周囲に全周性に発生した尖圭コンジローマの1例
西村 怜
1
,
浜島 昭人
,
荒木 夏枝
,
佐々木 淑恵
1前橋赤十字病院 形成・美容外科
キーワード:
肛門疾患
,
尖圭コンジローマ
,
電気凝固
Keyword:
Anus Diseases
,
Electrocoagulation
,
Condylomata Acuminata
pp.620-624
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022232783
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症例は3歳0ヵ月男児で、2歳6ヵ月時に肛門周囲の皮疹に気付いた。徐々に増大してきたため近医皮膚科を受診し、尋常性疣贅の診断で凍結療法、ヨクイニン内服、ビタミンD3軟膏とイミキモド外用が3週間行われた。しかし、改善なく肛門周囲に全周性に病変を認めるようになったため、手術目的に当科を紹介された。肛門周囲に全周性にカリフラワー様の疣状病変を認め尖圭コンジローマが疑われ、初診時から約1ヵ月後に全身麻酔下に電気凝固術を施行した。隆起部位の一部を切除し、病理検査とウイルス検査に提出した。残存病変に対しては電気メスを用いて真皮中間層まで電気凝固した。病理組織学的に尖圭コンジローマに一致した所見であった。術後は特に問題なく経過し、術後2週間で上皮化が完了した。術後9ヵ月時点で明らかな再発や瘢痕性の肛門狭窄はなく経過している。
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