特集 CQ&図解で学ぶ 生殖医療の基礎講座
Ⅸ 医療経済
CQ 39 保険診療でカバーされる検査や治療は? 費用の概算は?
髙橋 望
1
,
原田 美由紀
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科/女性外科
pp.1445-1452
発行日 2025年11月30日
Published Date 2025/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003650
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A
▶基本的な不妊原因検査である身体診察,経腟超音波検査,血液検査(ホルモン検査),精液検査,子宮卵管造影検査などは保険適用となる。
▶2022年4月より新たに人工授精,生殖補助医療(体外受精,胚移植,顕微授精,男性不妊に対する手術)が保険適用となった。治療開始時点で女性が43歳未満であること,40歳未満なら1児につき胚移植6回まで,40~43歳未満なら1児につき3回までが適応条件となる。
▶自己負担額の概算として不妊スクリーニング検査では1~2万円,タイミング療法では3,000~1万円,人工授精は約1万5千円,採卵周期は自己負担で約15万円,胚移植周期で約5万円前後が目安となる。
▶一部の先進的技術〔タイムラプス,子宮内膜受容能検査(ERA),子宮内膜刺激胚移植(SEET)法など〕が先進医療として分類され,保険診療と併用できる場合がある。ただし先進医療部分は自己負担となる。各自治体において助成制度が存在する。

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