特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
企画者のことば
髙橋 健
1
,
佐村 修
1
Ken Takahashi
1
,
Osamu Samura
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003002
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新生児マススクリーニングは,診断されずに放置してしまうと,児に重篤な障害を生じうる疾患を対象として,発症前に発見し生後早期から治療することを目的とした公的事業である。日本では1977年に開始されたが,当初は先天性代謝異常症の5疾患から始まり,その後,先天性甲状腺機能低下症,先天性副腎過形成症という2つの内分泌疾患が対象に加わった。さらに,早期発見・早期治療が可能な疾患の増加と,新しい検査法であるタンデムマス法の開発により,現在では20疾患のスクリーニングが行われている。そして近年では,従来の検査対象疾患にさらに対象疾患を追加した「拡大新生児スクリーニング検査」が行われ始めた。日進月歩で進歩する診断法・治療法により今後ますます対象となる疾患が増加すると考えられ,多くの新生児がその恩恵を受けられるようになることは非常に喜ばしいことである。
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