特集 産婦人科医必携 最新の細菌・真菌感染症に対する薬の使い方と留意点Ⅱ
総論
1.産婦人科領域感染症の抗菌薬適正使用
-―治療と予防―
加藤 秀雄
1,2
,
三鴨 廣繁
1
H. Kato
1,2
,
H. Mikamo
1
1愛知医科大学医学部臨床感染症学講座
2三重大学医学部附属病院薬剤部
pp.101-107
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002853
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近年,耐性菌の出現とともに有効な抗菌薬が変化しつつある。産科婦人科領域では,性器感染症(骨盤内炎症性疾患:PID)や手術時の予防に抗菌薬が使用され,腟内の常在菌や嫌気性菌をカバーできる抗菌薬レジメンが推奨されている。国内外のガイドラインともに,PIDの抗菌薬治療は標準化されているが,蔓延する微生物,抗菌薬の感受性および薬剤費が国によって多様なため,抗菌薬治療レジメンが異なる傾向にある。一方,周術期予防抗菌薬に関しては,術式ごとに抗菌薬の必要性が異なり,わが国では補助的に抗菌薬が使用される。本稿では,国内外のガイドラインを参考に,産科婦人科領域感染症の抗菌薬治療について概説する。
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