臨床経験
性成熟期女性における子宮内膜異型増殖症と子宮体癌症例の臨床的検討
尾臺 珠美
1
,
郡 悠介
1
,
高尾 茉希
1
,
大島 乃里子
1
,
若菜 公雄
1
,
宮坂 尚幸
1
T. Odai
1
,
Y. Koori
1
,
M. Takao
1
,
N. Oshima
1
,
K. Wakana
1
,
N. Miyasaka
1
1東京医科歯科大学産婦人科
pp.81-85
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002837
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近年,挙児希望年齢の高齢化がみられるが,30代後半から子宮体癌の罹患数が増加する。当院で性成熟期に子宮内膜異型増殖症(AEH)または子宮体癌(EC)と診断された26症例の臨床的検討を行った。治療前診断AEH 7例,EC 19例で,未婚11例,未産婦23例,7例は不妊治療を契機に診断(AEH 5例,ECⅠA期2例)された。AEH 7例とEC 1例はMPA療法を選択し,AEH 5例が寛解し3例が分娩した。EC 1例は寛解後に再発し,再度MPA療法を施行した。AEHと診断された症例は全例子宮温存療法を希望した。不妊治療における精査がAEHやECの早期発見に寄与している可能性が考えられた。加齢に伴う妊孕能の低下や,寛解後の再発リスク・MPA療法の限界を考慮し,寛解後には速やかな妊娠成立が望ましい。
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