特集 婦人科医が知っておくべきがん遺伝子パネル検査の基礎知識
Ⅰ.概論
1.がん遺伝子パネル検査とがん医療について—婦人科がんとのかかわり—
原野 謙一
1
K. Harano
1
1国立がん研究センター東病院先端医療科/乳腺・腫瘍内科
pp.681-687
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001323
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がん遺伝子パネル検査は,がんに関連する遺伝子変異を網羅的に調べ,その結果に基づき治験や既存薬剤の治療機会を検索することが目的である。婦人科がんにおいては,卵巣癌で生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異を検索する遺伝子検査が導入されているが,BRCA遺伝子変異を有さない卵巣癌や,子宮体癌,子宮頸癌においてはいまだ現在の標準治療に遺伝子検査は導入されていない。しかしながら,婦人科がん診療において遺伝子パネル検査を行うことは,がんの特徴を理解する,投与可能な薬剤を発見する,新薬開発に参加するなど,多くの利点を有する。
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