特集 ここは見逃すな! 症候からアプローチする母体合併症
5.上腹部痛
山下 隆博
1
T. Yamashita
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.1095-1098
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000589
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妊婦が上腹部痛を訴えるケースは少なくない。妊娠初期は悪阻による悪心・嘔吐から胃炎を起こしていることがあり,中期以降は増大する妊娠子宮による圧迫で,消化器症状を呈することも多い。しかし,上腹部痛のなかには母児の予後に影響する重要疾患も含まれている。特に妊娠20週台後半以降はHELLP症候群を常に念頭に置いた管理が必要である。問診,触診,採血,超音波を適宜施行して鑑別診断を進めていくが,胎児の状態の評価も大切である。
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