特集 不妊と不育の新たな課題
1. 不妊症の定義と分類─歴史からの考察─
久具 宏司
1
1東京都立墨東病院産婦人科(部長)
pp.1781-1785
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000249
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不妊症の定義は2015 年に改定され,不妊症と診断するための不妊期間は2 年から1 年へと短縮された。不妊症とは本来,妊娠成立を阻む病的因子の存在する病態を示す疾患名であり,不妊期間によって規定されるものではないが,不妊治療を開始する目安として新たな定義は意義を有する。一方,加齢に伴い妊孕能は下降するが,生理現象ともいえる妊孕能の低下は厳密には不妊症ではない。社会問題でもある晩婚化や妊娠年齢の高年化の時代にあって,不妊症をどう捉えて対応していくか,社会全体で考えるべき今後の課題である。
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