特集 小児の特発性以外の肺高血圧
4.先天性心疾患による肺高血圧
石井 卓
1
,
土井 庄三郎
2
1東京科学大学茨城県小児・周産期地域医療学講座
2東京科学大学医学部附属病院客員教授
pp.1138-1143
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003627
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先天性心疾患(CHD)ではさまざまな病態や背景疾患により肺高血圧を合併する.もっとも代表的なものは高肺血流による肺高血圧だが,肺血管抵抗が高い症例では急性血管反応試験などもふまえて手術適応を判断する.手術時期の判断には,シャントの部位,21トリソミーなどの基礎疾患,気道病変の影響なども念頭におく必要がある.小さなシャントにもかかわらず肺高血圧を呈している症例や手術後に残存する肺高血圧に対しては積極的な肺高血圧治療が推奨される一方で,肺静脈狭窄を伴う症例,区域性肺高血圧,Fontan術後の高肺血管抵抗症例に対する肺高血圧治療は適応を慎重に判断しなければならない.

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