特集 一括アップデート! 子どものワクチン・予防接種
Ⅳ 定期接種・任意接種
17.日本脳炎ワクチン
宮崎 千明
1
1医療型児童発達支援センター福岡市立あゆみ学園(小児科)
pp.1022-1028
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003184
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近年の変更点・ポイント&今後の動向
☑2016年以降,日本小児科学会は,日本脳炎の感染リスクが高い地域に住む小児等は,標準的接種年齢(3歳)より早く,生後6か月以降の早期接種を推奨している.
☑3歳未満にはワクチン0.25mLが接種されるが,初回1期2回+追加接種(計3回)で0.5mLの3回接種に劣らない抗体獲得ができると考えられる.
☑WHOは2019年にファクトシートを出して,南東アジアと西太平洋地域に住む約30億人に日本脳炎ウイルスの感染リスクがあり,安全で有効なワクチンがあるので国の予防接種スケジュールに入れるべきとしている.
☑2022年にオーストラリアの東部で日本脳炎ウイルス(遺伝子型Ⅳ)による日本脳炎患者の多発がみられ,ウイルスの生息域の拡大が懸念されている.
☑国が示している定期接種実施要領上の標準的接種年齢の低年齢化や,抗日本脳炎ウイルス抗体の保有率が低い中高年への接種の議論等が期待される.
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