症例
持続する喘鳴と反復性嘔吐を主訴に診断された血管輪の1例
田中 基意
1
,
小川 英輝
1
,
武藤 亜希
1
,
樋口 徹
1
,
伊藤 健太
1
,
鈴木 基正
1
1あいち小児保健医療総合センター総合診療科
キーワード:
先天性喘鳴
,
反復性嘔吐
,
重複大動脈弓
,
血管輪
Keyword:
先天性喘鳴
,
反復性嘔吐
,
重複大動脈弓
,
血管輪
pp.1394-1397
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001948
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新生児期・乳児期における慢性もしくは再発性の喘鳴の原因としては,ウイルス感染症に伴う細気管支炎や気管支喘息発作が最多である1).その一方で,とくに早期乳児期までの喘鳴では,先天性の解剖学的・機能的な異常も鑑別に挙げる必要がある2).先天性喘鳴の疫学によるとその原因は喉頭・気管軟化症が最多で,まれな原因として血管輪があることが報告されている3).これらの先天性喘鳴と他の原因による喘鳴を臨床的に鑑別することは困難であり,とくに血管輪の診断においては造影CT検査が必要であるなど患者への侵襲性も考慮するとしばしば診断に時間を要し難渋する.
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