特集 小児科専攻医必携 専門検査・治療実施マニュアル
6.心臓カテーテル検査・血管造影
鍵山 慶之
1,2
,
須田 憲治
1
1久留米大学小児科
2聖マリア病院小児循環器内科
キーワード:
心臓カテーテル検査
,
血管造影
,
先天性心疾患
,
Fickの原理
Keyword:
心臓カテーテル検査
,
血管造影
,
先天性心疾患
,
Fickの原理
pp.1085-1094
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001409
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心臓カテーテル検査は,小児科専攻医にとって決して馴染みの深い検査ではない.しかし本検査は血行動態を評価する検査であり,そのなかに含まれる概念は先天性心疾患の診療だけではなく集中治療室での重症患者管理にも用いることができる.もちろん先天性心疾患患者の診療においては非常に重要な検査である.まず圧を知ること,酸素飽和度を知ることで心血管構造内の狭窄や異常短絡の検出ができ,Fickの公式やOhmの法則を利用することで心拍出量や肺体血流比,肺血管抵抗を算出できる.造影検査では心腔の容量や壁運動評価などの全般的な情報だけでなく,病変とする血管の形態などの評価ができる.これら評価項目の絶対的な有用性に変わりはないが,非侵襲的検査の発展により相対的には有用性の低下してきている検査ではある.本稿では主に,カテーテル検査の侵襲性を減らすために検査内容,使用物品,合併症に関して要説する.
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