Japanese
English
症例報告
補助人工心臓を離脱した乳幼児患者の一症例
Examination of the exercise of infant patient with left ventricular assist device
天尾 理恵
1
,
平田 康隆
2
,
中野 克俊
3
,
犬塚 亮
3
,
小野 稔
2
,
芳賀 信彦
1
Rie Amao
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
2東京大学医学部附属病院心臓外科
3東京大学医学部附属病院小児科
キーワード:
植込型補助人工心臓離脱
,
乳幼児
,
理学療法
Keyword:
植込型補助人工心臓離脱
,
乳幼児
,
理学療法
pp.946-951
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201670
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要旨 【はじめに】これまで,補助人工心臓(ventricular assist device:VAD)離脱に至った小児患者の離脱後の運動指標は明確でない.今回,VAD離脱に至った幼児患者の理学療法について検討したので報告する.【症例紹介】左室瘤2か月女児.LVADを装着術後,心機能の改善を認め,装着術後530日にVAD離脱術を施行した.【経過】VAD装着時安静時心拍数(heart rate:HR)は110台,啼泣時に140台まで上昇する状況であった.理学療法は離脱術後2日に開始.理学療法実施中のHRは興奮にて一過性に150bpmに上昇したが,おおむね120〜140bpmで推移した.退院前にはほぼ,離脱術前と同等のプログラムを実施可能な状態であった.【考察】本症例の循環動態の評価として,HR,血圧,および他覚的所見として心不全症状の有無などを評価した.安静時HRより20%程度上昇する運動負荷で,安全かつ効果的な理学療法が行え,VAD離脱後の乳幼児の理学療法として許容範囲内であることが示唆された.【結語】VAD離脱後の乳幼児の理学療法は,安静時HRより20%程度上昇HRであれば許容範囲内であった.
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