特集 Down症を見つめる
7.耳鼻咽喉科領域の疾患
中井 麻佐子
1
1滋賀県立小児保健医療センター耳鼻いんこう科
キーワード:
Down症
,
難聴
,
滲出性中耳炎
,
睡眠時無呼吸症候群
Keyword:
Down症
,
難聴
,
滲出性中耳炎
,
睡眠時無呼吸症候群
pp.41-45
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000730
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Down症の症状は多岐にわたり,なかでも耳鼻咽喉科がかかわる領域は広いとされる.合併しやすい耳鼻咽喉科領域の疾患とその治療法について述べる.まず,乳幼児期に難聴疑いと診断される割合が正常児と比較して多い.成長に伴う伸びがみられるかを慎重に経過観察し,必要な治療を実施したうえで最終的に両側中等度以上の難聴と診断されれば,補聴器調整も考慮する.管理が困難な場合もあり,家族や療育関係者と連携することが重要である.また,副鼻腔炎や中耳炎,滲出性中耳炎など,上気道の炎症を反復することが多く,保存的・手術加療併せて対応するが,治療に抵抗し遷延することも多い.手術の際は合併症にも留意し周術期を慎重に管理する必要がある.さらに,複数の要因から睡眠時無呼吸症候群を合併しやすく,手術加療からCPAPまで,個々の症例に即して対応する必要がある.
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