特集 妊婦の健康状態・生活習慣が胎児に及ぼす影響
6.慢性心疾患をもつ妊婦
桂木 真司
1
1榊原記念病院産婦人科
キーワード:
妊娠
,
循環血液量
,
チアノーゼ
,
低出生体重児
Keyword:
妊娠
,
循環血液量
,
チアノーゼ
,
低出生体重児
pp.1903-1909
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000699
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
妊娠中は循環血液量の増加,過凝固など生理学変化が起こる.既存の心疾患をもつ女性はさらに心負荷がかかることになる.肺高血圧症は妊娠・出産の安全性の評価においてWHO class Ⅳに分類され危険が高いとされる.循環血液量増加,過凝固,使用できる薬剤の限界が主な理由である.Eisenmenger症候群では肺高血圧に加えて胎児低酸素による胎児発育不全,子宮内胎児死亡のリスクがある.高度の肺高血圧症は妊娠30週前後で母体の息切れ,易疲労感などで妊娠継続が困難となる場合が多い.高度な多科にわたる診療連携も重要であるが,病態をふまえた,妊娠前のカウンセリングが重要である.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.