整形外科 名人のknow-how
腱板再生を促進するコラーゲン繊維シートを用いた腱板修復術
落合 信靖
1
Nobuyasu OCHIAI
1
1千葉大学大学院医学研究院,整形外科
pp.632-637
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003403
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腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術は現在腱板断裂手術のゴールドスタンダードとなっている。一方で,断裂サイズ,腱板断端のquality,腱板筋の脂肪変性,糖尿病,喫煙などの患者因子にも依存するが,再断裂率は一定の確率で生じる。本手術は,腱板を修復することを目的にしているので可能であれば良好な修復,再断裂率をより低減させることが重要である。2024年6月より本邦で使用可能となったREGENETENインプラント(Smith and Nephew社)は,ウシアキレス腱由来のⅠ型コラーゲンからなる吸収性のシートで,患者自身の自然治癒力を利用して組織の再生を促進する「生物学的修復(biologic augmentation)」をコンセプトにしており,特に慢性腱板損傷における修復効果が期待できる。このシートを使用することにより,約5週でhost cellがシート内に侵入し,約3カ月でfibroblastによりインプラントが分解され,機能的な配向性が得られるようになり,約6カ月でコラーゲンが完全に分解され,高密度で配向性のある結合織が完成すると報告されている1)。

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