整形外科手術 名人のknow-how
早期発症側弯症に対する成長温存手術(Shilla法)
鈴木 哲平
1
Teppei SUZUKI
1
1国立病院機構 神戸医療センター,リハビリテーション部
pp.220-223
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002893
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脊椎側弯症のなかでも診断時に10歳未満の骨未成熟児は早期発症側弯症(early onset scoliosis;EOS)と分類する。診断時に重度の変形をきたしている症例から二次性徴の際に急速に悪化する症例まで,様々な症例を含む。当然,ギプスや装具といった保存療法が原則である。しかし重度進行性の変形には手術加療を考慮せざるをえない症例も散見する。EOSを対象とした成長温存手術(growth friendly surgery;GFS)をSkaggsら1)が矯正原理ごとに ① distraction,② growth guidance,③ compressionに分類した。① は半年おきにコネクターを介した伸展術を要するグローイングロッド法,VEPTR手術が有名であるが,欧米ではここ10年で磁気制御型グローイングロッド法に置き換わっている2)。なお日本では未導入である。② は歴史的にはLuque trolly法として椎弓下ワイヤリングを多用した方法が報告されているが,成長温存椎骨の自然癒合が多発し普及しなかった3)。③ は胸腔鏡を用いた骨癒合を前提としない前方矯正であり,軽症例を中心に適応症例が限定的である4)。
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