膝蓋大腿関節症に対する関節温存手術

Joint preservation surgery for patellofemoral osteoarthritis

要旨：膝蓋大腿関節症は比較的発生頻度は高いが，これまで特に50歳以下の症例において積極的な外科的治療の介入はされなかった領域と考えられる。それは，膝蓋大腿関節症の原因が多因子による，外科的治療計画が立てにくい，主な術式の一つである膝蓋大腿関節形成手術の定型的な方法がないなど，術者テクニックに依存する部分が多いからと考えられる。今回，その膝蓋大腿関節症の原因とそれに伴う術式選択を明瞭化した。また，膝蓋大腿関節形成手術の変遷を振り返り，新規開発したデバイスを紹介し，今後の膝蓋大腿関節温存手術の可能性について検討した。