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特集 整形外科領域のベンチャー・スタートアップ
車椅子ユーザーに立って移動する選択肢を
-―起立型車椅子「Qolo」の開発―
Development of the standing wheelchair Qolo;two options for wheelchair users “To sit or To stand”
清水 如代
1
,
門根 秀樹
2
,
江口 洋丞
3
,
佐々木 海
3
,
木戸 俊介
4
,
鈴木 健嗣
5
Yukiyo SHIMIZU
1
,
Hideki KADOME
2
,
Yosuke EGUCHI
3
,
Shunsuke KIDO
4
,
Kenji SUZUKI
5
1筑波大学医学医療系,リハビリテーション医学
2筑波大学附属病院,未来医工融合研究センター
3Qolo株式会社
4NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
5筑波大学,システム情報系
キーワード:
Standing wheelchair
,
Spinal cord injury
,
Medical engineering research
Keyword:
Standing wheelchair
,
Spinal cord injury
,
Medical engineering research
pp.1407-1412
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002320
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要旨:車椅子は,下肢機能障害者が自由に移動できる優れた機器であるが,座位を継続しなくてはならないという制約がある。筑波大学人工知能研究室は,車椅子ユーザーが立位移動可能なパーソナルモビリティ「Qolo」を考案し,現在はQolo株式会社で商品化に向けて開発を継続している。Qoloは,モータではなく,ばねの反発力を用いて座位から立位への姿勢変換支援をする。電動車椅子ユニットの連結により,立位での移動を実現している。脊髄損傷者9例(T4-12,AIS[ASIA Impairment Scale]grade A)における臨床研究では,Qoloでの起立着座動作,立位移動が安全に実施可能であった。プロトタイプは,起立移動が可能なQolo-1,Qolo2.0から,座位移動をも可能にしたQolo-3と開発を進め,現在は体幹機能訓練器を開発している。医療機器開発における医師の役割としては,エンドユーザーの身体状況,ニーズを理解し,安全を担保しつつ,エンジニア,エンドユーザーと連携して,製品の可能性を引き出すことであると考えられる。
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