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経験
正中神経麻痺を合併した小児上腕骨顆上骨折に骨接合術と同時に神経剝離術を行った症例の神経機能回復時期の検討
Period of nerve function recovery which performed ORIF and neurolysis simultaneously in the case of pediatric supracondylar humerus fracture with median nerve palsy
山内 大輔
1
,
稲谷 弘幸
1
,
本田 宗一郎
1
,
太田 敬
1
,
井上 啓
1
,
五之治 行雄
1
Daisuke YAMAUCHI
1
1福井県済生会病院,整形外科
キーワード:
Supracondylar humerus fractures
,
Median nerve
,
Pediatrics
Keyword:
Supracondylar humerus fractures
,
Median nerve
,
Pediatrics
pp.1453-1458
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001470
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要旨:われわれは正中神経麻痺を合併した小児上腕骨顆上骨折に骨接合と同時に神経剝離を行った症例の回復時期を調査し,さらに術前の上腕動脈閉塞の有無と遠位骨片の転位方向との関連について検討した。症例は7例で,男児1例と女児6例,年齢は5〜10(平均6.6)歳であった。結果は,回復開始時期は平均12(1〜55)日で,回復完了時期は平均10(4〜16)週であった。早期に回復兆候を示したものは,より早期に完全回復できている傾向があった。上腕動脈閉塞を合併した4例は正中神経の走行の偏位があり,整復操作前に神経剝離が必要と思われた。術前に上腕動脈閉塞を認めなかった3例は神経を展開しても絞扼や走行の偏位はなく,神経剝離の必要性は低かった。正中神経麻痺を合併した小児上腕骨顆上骨折に徒手整復とKirschner鋼線固定のみを行った場合,術後2週を過ぎても回復兆候がなければ神経が絞扼されている可能性があるため,神経剝離を考えるべきなのかもしれない。
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