Japanese
English
経験
動脈吻合のみの指尖部切断再接着術では,良好な骨整復がうっ血を軽減させる
Optimal fracture reduction decreases venous congestion in distal digital replantation without venous anastomosis
小平 聡
1
,
福本 恵三
1
Satoshi KODAIRA
1
1埼玉慈恵病院,埼玉手外科マイクロサージャリー研究所
キーワード:
Fingertip amputation
,
Venous drainage
,
Bone marrow
Keyword:
Fingertip amputation
,
Venous drainage
,
Bone marrow
pp.857-860
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001328
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:動脈吻合のみの指尖部切断再接着術において,良好な骨整復がうっ血やうっ血壊死率を有意に減少させるかを統計学的に検討した。Subzone 2~4の手指末節部完全切断に対して動脈吻合のみの再接着術を行った中で,虚血壊死を除く25例を対象とした。骨整復良好例をG群,軽度の粉砕や転位が残る例をF群,不良例をP群の3群に分類した。G群14例,F群4例,P群7例のうっ血率は5/14,2/4,7/7,うっ血壊死率は1/14,0/4,5/7であり,統計学的有意差をもって,骨整復が不良であるとうっ血やうっ血壊死を生じやすいという結果が得られた。骨髄還流を可視化できていないため,どの程度の骨整復が骨髄還流を可能としているかを明確にできない点が課題としてあるものの,本研究で得られた結果を考慮すると,動脈吻合のみの指尖部切断再接着術においては,良好な骨整復を強く意識するべきである。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.