Japanese
English
特集 肉ばなれの病態と治療
ハムストリング付着部損傷の手術療法
Surgical repair of proximal hamstring tendon
吉村 英哉
1
,
仁賀 定雄
2
Hideya YOSHIMURA
1
,
Sadao NIGA
2
1川口工業総合病院,整形外科
2JIN整形外科スポーツクリニック
キーワード:
Proximal hamstring tendon
,
Complete tear
,
Incomplete tear
Keyword:
Proximal hamstring tendon
,
Complete tear
,
Incomplete tear
pp.391-398
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001240
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要旨:ハムストリング近位肉ばなれⅢ型損傷は,股関節屈曲膝関節伸展位の特徴的な肢位で受傷する。このうち完全剝離損傷は,ハイレベルアスリートにおいてパフォーマンス回復が困難な場合が多い。一方,不全剝離損傷は坐骨結節と仙結節靱帯の連続性が保たれ,損傷した筋腱の短縮は生じない。スポーツ継続可能な例も多いが,診断されないままパフォーマンスレベルを落としていることが多い。完全剝離損傷11例および不全剝離損傷7例に対して腱修復術を行い,それぞれ術後平均8カ月および7カ月で全例競技復帰した。受傷から2カ月以上経過した完全剝離損傷の例で腱断端が遠位へ転位し手術操作が困難であった。ハイレベルアスリートのⅢ型完全剝離損傷は,受傷後2週以内に診断,手術を行うことが肝要である。また不全剝離損傷は存在自体が周知されておらず,このような病態があることを念頭に置く必要があり,パフォーマンス低下のみられる例に対して手術は有効な治療法である。
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