特集 血菅炎症候群のすべて
4 小型血管炎・ANCA関連血管炎
抗糸球体基底膜抗体病
臼井 丈一
1
1筑波大学医学医療系臨床医学域 腎臓内科学
キーワード:
抗糸球体基底膜抗体病
,
抗糸球体基底膜腎炎
,
肺胞出血
Keyword:
抗糸球体基底膜抗体病
,
抗糸球体基底膜腎炎
,
肺胞出血
pp.1179-1184
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001739
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抗糸球体基底膜抗体病〔anti-glomerular basement membrane(GBM)disease〕は,血管炎の国際分類基準であるChapel Hill Consensus Conference(CHCC)で免疫複合体型小型血管炎に分類されている1)。小型血管炎の中で,GBMに対する自己抗体陽性の血管炎を抗GBM抗体病注1)と呼び,① 腎臓限局型の抗GBM腎炎注2),② 抗GBM抗体病による肺胞出血(腎炎合併なし),③ 腎臓と肺の双方を障害する型(以前はGoodpasture症候群と呼ばれていた)の3つに定義されている。抗GBM腎炎とは,臨床上は急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis:RPGN)の症状を呈し,組織学的には半月体形成性糸球体腎炎の像を示し,蛍光抗体法にて係蹄壁にIgGの線状沈着(linear pattern)を認める。本稿では,抗GBM抗体病の病態,疫学,診断,治療の一般論を解説する。
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