特集 血菅炎症候群のすべて
2 大型血管炎
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)―疫学・病態・症状・診断基準
長谷川 均
1
,
石崎 淳
1
1愛媛大学大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学
キーワード:
巨細胞性動脈炎
,
側頭動脈炎
,
大型血管炎
Keyword:
巨細胞性動脈炎
,
側頭動脈炎
,
大型血管炎
pp.1045-1052
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001724
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巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)は,大動脈とその分枝の中—大型動脈に起こる肉芽腫性血管炎である。外頸動脈の分枝(主に側頭動脈),椎骨動脈,鎖骨下動脈および胸部大動脈に起こりやすく,以前は側頭動脈炎(temporal arteritis)といわれていた。50歳以上の高齢者に多く発症し,欧米に多く,我が国には少ない。1998年の疫学調査では,我が国の有病率は10万人あたり0.65人と推計され,男女比はほぼ1:1.7であった。しかしながら,FDG-PETなど検査の進歩に伴って,近年,我が国においてもGCAは増加する傾向があり,高齢者のリウマチ性疾患において重要な疾患と考えられる。本稿では,GCAの疫学,病態,症状,検査および分類基準について概説する。
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