Japanese
English
特集 治療関連肺障害の画像診断
はじめに―特集にあたり
Foreword
栗原 泰之
1
Yasuyuki Kurihara
1
1聖路加国際病院 放射線科
1Department of Radiology St. Luke’s International Hospital
キーワード:
薬剤性肺障害
,
ダプトマイシン
,
ボリコナゾール
Keyword:
薬剤性肺障害
,
ダプトマイシン
,
ボリコナゾール
pp.765-766
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000883
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- Abstract 文献概要
2002年7月に分子標的薬gefinitib(イレッサ)が世界に先駆けて我が国で導入されると,同薬による薬剤性肺障害が予想外に多く社会問題となり,これを契機に画像診断も大きな役割を担うようになった。その後も新薬の承認は徐々に増え,最近では年間100件前後の新薬が承認され日常診療に登場してきている。その中でも新しい分子標的治療薬や生物学的製剤の導入が目立つわけだが,これらの登場ごとに,新たな薬剤性肺障害に遭遇するようになったといっても過言ではない。実際に臨床サイドから我々の読影室に薬剤性肺障害の可能性について問われたり,原因不明の異常陰影に対してその可能性を報告したりする機会もかなり増えたと思われるのではないだろうか。薬剤性肺障害は非特異的であり,診断は除外診断であるものの,それぞれの薬剤に特徴的な画像パターンがあることも多く,我々放射線科医もそれを知らないと,除外診断に残り得るのかも判断できないのである。よって,我々は治療薬ごとにその薬剤性肺障害の画像特徴について精通する必要がある。新薬は数多くあるので,それらすべてに精通することは困難を極めるが,少しでも整理できるよう,本特集では治療の内容ごとに分けてその肺障害を経験豊富な専門家に論じていただいた。
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