特集 乳癌の診断・治療
診断
知っておきたい検査法
骨シンチグラフィ
本田 聡
1
1東京都保健医療公社豊島病院 放射線科
キーワード:
骨転移
,
シンチグラフィ
,
骨修飾薬
Keyword:
骨転移
,
シンチグラフィ
,
骨修飾薬
pp.509-514
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000826
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骨基質はコラーゲンを主体とする有機質と,そこに密に沈着したリン酸カルシウム結晶(ハイドロキシアパタイト)からなる。骨組織は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による造骨が繰り返されて,新しい組織に置き換わるサイクルがある。これをリモデリングと呼ぶが,骨シンチグラフィ製剤はハイドロキシアパタイト結晶へ化学的に吸着するとされ,骨芽細胞の活動を反映した画像が得られる1)。通常の骨代謝では骨吸収が亢進すると造骨も更新するが,骨転移の場合は造骨性転移では骨芽細胞による造骨が亢進しているのに対し,溶骨性転移では破骨細胞の活動が亢進しているのに対し骨芽細胞の活動はそれほどでもないので,集積はそれほど増加しないことになる。したがって,骨シンチグラフィでは造骨性転移の検出率が高いのに対し,混合性転移や溶骨性転移の検出率が低くなる。
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