総説
レビー小体型認知症とNeuroimaging 臨床症状との関連
飯塚 友道
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1公益財団法人結核予防会複十字病院 認知症疾患医療センター
キーワード:
レビー小体型認知症
,
DAT‒SPECT
,
MIBG 心筋シンチグラフィ
,
cingulate island sign
Keyword:
レビー小体型認知症
,
DAT‒SPECT
,
MIBG 心筋シンチグラフィ
,
cingulate island sign
pp.1055-1062
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000082
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レビー小体型認知症(DLB)は,認知症の原因となる神経変性疾患のなかでアルツハイマー型認知症(AD)に次いで2 番目に多い疾患である。DLB は大脳や脳幹など脳に広範にレビー小体(LB)が出現するため,パーキンソン病(PD)の類縁疾患であるともいえる。DLB はAD と比較して症状が多彩である。また,初期は健忘よりも幻覚などのBPSD が目立つことも多い。DLB の画像診断には脳血流SPECT に加えて,近年,MIBG心筋シンチグラフィとドパミン・トランスポーター・シンチグラフィ(DAT—SPECT)の利用により,鑑別診断は格段に向上した。DLB の診断基準(表1)にも,DAT—SPECT とMIBG 心筋シンチグラフィが示唆的バイオマーカーに,側頭葉内側保持(CT/MRI)と脳血流SPECT(あるいは18F—FDG—PET)が支持的バイオマーカーに組み込まれている。これらのDLB の画像診断の役割は大きく分けて,1)AD や前頭側頭型認知症(FTD)などの他の認知症をきたす疾患との鑑別,2)四つの中核的特徴やレム睡眠行動障害(RBD)などの症状の重症度との関連や症状出現の病理学的背景の示唆,の2 点に集約される。今回,この視点から各neuroimaging の意義を整理してみたい。
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