手術手技
膵腸吻合部に意図的内ドレナージ孔を作製する新規膵腸吻合法(IIDH法)
橋本 真治
1
,
下村 治
1
,
宮﨑 貴寛
1
,
土井 愛美
1
,
金 在檉
1
,
小田 竜也
1
1筑波大学消化器外科
キーワード:
膵空腸吻合
,
膵液瘻
Keyword:
膵空腸吻合
,
膵液瘻
pp.955-960
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003901
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膵頭十二指腸切除の術後合併症である膵液瘻は,術後腹腔内膿瘍・仮性動脈瘤形成から術後出血につながる重篤な合併症の1つである。手術手技や周術期管理が充実した現在のわが国においても,術後合併症発生率は約40%,死亡率は約3%と報告されている1)。とくに正常膵いわゆるsoft pancreas症例に対する膵頭十二指腸切除術後膵液瘻を克服することは,現代の膵臓外科に残された課題であり,多くの施設でさまざまな工夫がなされている。その1つに2014年にFujiiらが2),2015年に当科のOdaら3)が発表したBlumgart変法があり,それ以降,わが国ではこの膵空腸吻合法を導入している施設が多いが,術後膵液瘻を完全に克服したとは言い難い4, 5)。
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