特集 上部消化管領域再建手技─最近のトピック
食道切除後の回結腸再建および機能温存を目指した胃温存回結腸再建
上野 正紀
1
,
大倉 遊
1
,
春田 周宇介
1
,
矢後 彰一
1
,
下山 勇人
1
,
宇田川 晴司
1
1虎の門病院消化器外科
キーワード:
食道癌
,
再建法
,
回結腸再建
Keyword:
食道癌
,
再建法
,
回結腸再建
pp.139-146
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002613
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食道切除後の再建には,胃を用いることが標準的である。右胃動脈,右胃大網動脈という壁外からの血流に加えて豊富な壁内血流の存在から,かなりの距離の挙上が可能であり,簡便性,確実性が高い1)。胃癌の重複や胃切除の既往があり,胃を再建に用いることができないときには,小腸や結腸による再建が選択される2-6)。小腸や結腸による再建に関する合併症としては虚血やうっ血,縫合不全,腸管壊死などがあげられる。ひとたび発生すると重症化し,肺炎の併発,長期臥床と入院の長期化,ADL(activities of daily living)の低下が起こる。しかし,ハイボリュームセンターといえど,このような症例は年に数例であり,胃の術後や同時切除が必要な症例に対しては,常に緊張感をもって挑むことになる。
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