Japanese
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特集 薬疹
カルベジロールによる湿疹型薬疹の1例
Carvedilol-induced eczematous type drug eruption
永岡 譲
1
,
野呂 昌弘
2
Yuzuru NAGAOKA
1
,
Masahiro NORO
2
1松戸市立総合医療センター,皮膚科,部長
2同,病理診断科
キーワード:
湿疹型薬疹
,
カルベジロール
,
感作期間
,
αβ遮断薬
Keyword:
湿疹型薬疹
,
カルベジロール
,
感作期間
,
αβ遮断薬
pp.861-863
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005238
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85歳,男性。高血圧症と慢性心不全に対して6年以上前からカルベジロールを内服していた。約10カ月前に四肢と体幹に瘙痒を伴う皮疹が出現し,増数した。病理組織学的に不全角化を伴う軽度の角質の肥厚,表皮の肥厚,単核球の表皮内へのexocytosis,表皮細胞間の浮腫,真皮乳頭層と血管周囲への単核球の軽度の浸潤を認めた。薬剤リンパ球刺激試験でカルベジロールなど6薬剤に陽性反応を認めた。カルベジロールのみを中止したところ,皮疹は約1カ月で色素沈着を残して軽快した。薬剤による湿疹は,感作期間が長い場合は「原因不明」として扱われていることもあると考えられ,注意が必要である。

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