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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
総説
2.皮膚科領域における薬剤耐性菌の問題(MRSAを中心に)
Antimicrobial resistance in dermatology
中南 秀将
1
Hidemasa NAKAMINAMI
1
1東京薬科大学薬学部,臨床微生物学教室
キーワード:
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
USA300 clone
,
深在性皮膚感染症
,
家庭内感染
Keyword:
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
USA300 clone
,
深在性皮膚感染症
,
家庭内感染
pp.1905-1912
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003618
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・本邦の皮膚感染症患者において,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の分離率は30%前後で推移している。
・白血球溶解毒素(Panton-Valentine leukocidin;PVL)を産生するMRSAによる難治性,再発性の深在性皮膚感染症患者が増加している。
・USA300 cloneとよばれるPVL陽性MRSAは皮膚への定着能が高いため,集団生活を行っているコンタクトスポーツ選手や家庭内での感染が問題となっている。
・現時点で,本邦で分離されるPVL陽性MRSAは,外用薬ではオゼノキサシン,クリンダマイシン,フシジン酸,ムピロシン,内服薬ではミノサイクリン,スルファメトキサゾール/トリメトプリムに高い感受性を示す。
・PVL陽性MRSAのピンポン感染を防ぐためには,同居者全員の鼻腔内除菌,高頻度接触表面の消毒が重要である。
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