Japanese
English
症例
破傷風トキソイド予防接種部位に生じた皮膚偽リンパ腫の1例
Cutaneous Pseudolymphoma Induced by Tetanus Vaccine
原 みずき
1
,
川瀬 正昭
1
,
江藤 隆史
1
Mizuki HARA
1
,
Masaaki KAWASE
1
,
Takafumi ETOH
1
1東京逓信病院,皮膚科(主任:江藤隆史部長)
キーワード:
皮膚偽リンパ腫
,
cutaneous pseudolymphoma
,
破傷風トキソイド
,
ワクチン
,
アルミニウム
Keyword:
皮膚偽リンパ腫
,
cutaneous pseudolymphoma
,
破傷風トキソイド
,
ワクチン
,
アルミニウム
pp.409-412
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000634
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26歳,女性。右上腕の破傷風トキソイド接種部位が1週間後に発赤を伴い腫脹した後,皮下結節として残存した。1カ月後,左上腕に2回目の接種を行ったところ,同様に接種部位に一致し皮下結節が残存した。右上腕皮下結節の生検組織像では,真皮深層から皮下脂肪組織境界部にかけて核異型や分裂像のない密なリンパ球浸潤と濾胞構造を認めた。免疫染色ではCD79a陽性細胞は濾胞中心に,CD3陽性細胞は濾胞辺縁に,CD10陽性細胞は胚中心に,bcl-2陽性細胞は濾胞辺縁に目立ち,KP-1染色でtingible body macrophageが散見された。注射自体による反応やアジュバントに含有されるアルミニウムの影響が示唆されるが,ワクチン接種が誘因で発症した皮膚B細胞性偽リンパ腫は比較的まれであり,貴重な症例と考えた。
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