症例
アニサキスアレルギーまたは回虫アレルギーによる蕁麻疹/アナフィラキシーは遅発性にもおこりうるのか?―自験2例の経験から―
原田 晋
1
,
小林 征洋
2
,
恒光 健史
3
,
鈴木 崇生
3
1はらだ皮膚科クリニック,院長
2東京海洋大学,食品生産科学部門
3兵庫県立尼崎総合医療センター,救急集中治療科
キーワード:
アニサキス
,
回虫
,
アレルギー
,
遅発性
,
Ani s 9
Keyword:
アニサキス
,
回虫
,
アレルギー
,
遅発性
,
Ani s 9
pp.1543-1547
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000201
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前夜に魚類ないしホルモン焼きを摂取したところ,翌日に蕁麻疹/アナフィラキシーを発症し,アニサキス・回虫の特異的IgEが陽性,かつELISA 法でアニサキスの分泌抗原であるAni s 9が陽性であった2例を経験した。原因食物摂取数時間〜1日後の遅発性に発症する消化管アニサキス症は分泌抗原であるAni s 1によるアレルギー反応と考えられているため,アニサキスアレルギーによる蕁麻疹/アナフィラキシーも遅発性に発症しうる可能性は否定し得ない。したがって,原因不明のアナフィラキシー症例を経験し,半日以上前に遡った問診で魚類やホルモン焼き摂取の既往がある場合には,アニサキス・回虫特異的IgEの測定は試みる価値がある。
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