特集 白内障手術の最先端
序論
根岸 一乃
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.763-764
発行日 2025年9月5日
Published Date 2025/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004271
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白内障手術は,半世紀以上にわたる技術革新の積み重ねにより,安全性と有効性の両面で飛躍的な進歩を遂げてきた。かつては混濁した水晶体を除去し,単焦点眼内レンズ(IOL)を挿入することが主な目的であったが,現在では,術後の視機能の質や患者満足度を最大化することを目指す「屈折矯正手術」としての側面がますます強まっている。人口の高齢化に伴い,手術対象となる患者は増加の一途をたどり,術後に求められる視機能への期待も高まっている。そのため,手術成績の予測精度向上,合併症低減,さらには術後の生活の質(QOL)の向上を見据えた新しいアプローチが次々と導入されている。

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