特集 コンタクトレンズ:研修医のための一般診療でのポイント
4 治療用ソフトコンタクトレンズ
岡島 行伸
1
1綱島アイクリニック(東京都)
キーワード:
治療用コンタクトレンズ
,
シリコーンハイドロゲル
Keyword:
治療用コンタクトレンズ
,
シリコーンハイドロゲル
pp.502-506
発行日 2025年6月5日
Published Date 2025/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004175
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治療用ソフトコンタクトレンズ(therapeutic soft contact lens:TSCL)は1970年代に初めてhydroxyethylmethacrylate(HEMA)素材が使用された。当初はHEMAを主成分とするハイドロゲルレンズが多く使用されていたが,現在ではすべて終売している。1990年代からはTSCLとして1週間連続装用型(1WDSCL)が多く用いられ,最近ではシリコーンハイドロゲル素材が主流となっている。最長で1か月の連続装用が可能なエア オプティクスⓇ EXアクア(日本アルコン社)は視力補正用に加え,「角膜疾患眼の視力補正能も付帯する治療用」が使用目的・効果に追加されており,現在治療用として承認されている唯一のシリコーンハイドロゲル(lotrafilcon A)素材のレンズである。シリコーンハイドロゲルはハイドロゲルに比べて酸素透過性がより高く,低酸素状態で誘発される角膜上皮の菲薄化や細菌の付着が少ない。また,低含水率による涙液保持効果も期待されている。

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