特集 原発閉塞隅角病(PACD)診療のアップデート
2 原発閉塞隅角病の疫学
俣木 直美
1
1たじみ岩瀬眼科(岐阜県)
キーワード:
原発閉塞隅角病
,
原発閉塞隅角緑内障
,
疫学
,
有病率
,
多治見スタディ
,
久米島スタディ
Keyword:
原発閉塞隅角病
,
原発閉塞隅角緑内障
,
疫学
,
有病率
,
多治見スタディ
,
久米島スタディ
pp.305-309
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004113
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2022年に改訂された緑内障診療ガイドライン第5版では,原発閉塞隅角緑内障(primary angle closure glaucoma:PACG)と原発閉塞隅角症(primary angle closure:PAC)および原発閉塞隅角症疑い(primary angle closure suspect:PACS)などの前駆病変を包含した原発閉塞隅角病(primary angle closure disease:PACD)という定義が新たに提唱されたことは記憶に新しい。緑内障はわが国における中途失明原因の第1位であり1),今日においては平均寿命の延長も関与して視覚障害者数は増加の一途をたどっている。なかでも原発閉塞隅角緑内障は日本を含む東アジアにおける失明の大きな原因疾患であり,特にアジア系人種で有病率が高く,中国やインドの人口を考慮すると将来的に大きな問題になると考えられている。また,適切な治療を行わなければ開放隅角緑内障に比べ視機能の予後が不良であることが知られている。今回,原発閉塞隅角緑内障(以下PACG)を中心とした原発閉塞隅角病(以下PACD)の疫学について,日本のみならず世界での調査を含め,紹介したい。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.