特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅶ 小児・神経眼科 7 手術を考える前に必要な眼瞼下垂の鑑別とその後の対処法
龍井 苑子
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1北里大学眼科学教室
キーワード:
眼瞼下垂
,
動眼神経麻痺
,
重症筋無力症
Keyword:
眼瞼下垂
,
動眼神経麻痺
,
重症筋無力症
pp.1419-1422
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003908
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上眼瞼は通常,瞳孔上縁をわずかに隠す程度の高さに位置するが,何らかの原因で上眼瞼が下がり瞼裂幅が正常所見よりも狭くなった状態を眼瞼下垂という。眼瞼下垂が起こると,瞳孔が眼瞼に隠れ光が入射しづらくなることから,視界不良を起こし,患者の日常生活に大きな影響を与える。その顔貌の変化から整容的な意味でも早期の治療を望まれることが少なくないが,眼瞼下垂を呈する疾患には生命に関わる緊急性を要するものや手術を安易に行ってはいけない疾患も隠れており,鑑別は重要である。本稿では外科的治療が第一選択にはならない眼瞼下垂を呈する代表疾患である動眼神経麻痺,重症筋無力症について,専門施設に紹介するタイミングや事前に確認しておくべき点について解説する。
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