特集 角膜輪部の神秘
3 先天性輪部障害
大家 義則
1
1大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科(眼科)
キーワード:
無虹彩症
,
指定難病
Keyword:
無虹彩症
,
指定難病
pp.447-451
発行日 2020年5月5日
Published Date 2020/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001654
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角膜上皮幹細胞は輪部と呼ばれる結膜と角膜の境界領域の基底部に存在することが知られており,ここから分化したTA細胞がさらに増殖することで角膜上皮細胞がturn overしていると考えられている1)。角膜輪部が障害されて,角膜上皮幹細胞が完全に消失すると角膜上皮幹細胞疲弊症とよばれる状態となり,角膜上には混濁と血管を伴った結膜上皮が侵入して混濁し,視力低下の原因となる。角膜上皮幹細胞疲弊症の原因となる疾患には先天性のものとして無虹彩症や強膜化角膜,外因性のものとしてアルカリ腐食や熱傷,内因性のものとしてStevens-Johnson症候群や眼類天疱瘡,そのほか特発性ものが挙げられる2)3)。
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