原著
Time domain式眼軸長測定装置OA-1000とFourier domain式眼軸長測定装置OA-2000の比較
佐々木 功
1
,
森 文彦
1
,
東 邦洋
1
,
松下 知弘
1
,
江口 秀一郎
1
1江口眼科病院(函館市)
キーワード:
光学式眼軸長測定装置
,
眼軸長
,
前房深度
,
Barrett UniversalⅡ
,
swept source
,
anterior chamber depth
Keyword:
光学式眼軸長測定装置
,
眼軸長
,
前房深度
,
Barrett UniversalⅡ
,
swept source
,
anterior chamber depth
pp.77-86
発行日 2018年1月5日
Published Date 2018/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000541
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白内障術後屈折予測の精度を高めるうえで眼内レンズ(以下,IOL)度数計算式に加え,角膜屈折力,眼軸長,前房深度等の生体計測が重要である。特に眼軸長測定と術後IOL 位置予測の精度向上が最も重要な因子である1)。眼軸長測定方法としては,非接触かつ視軸上測定が容易で検者間の測定のばらつきが少ない光学式眼軸長測定法2)3)が標準的となり,さらに光学式眼軸長測定装置自体も当初のtime domain 式から,より高速で測定可能率の高いFourier domain 式4)5)へ移行しつつある。この変化に伴い,IOL 度数計算式もSRK/T 式などの超音波眼軸長測定に立脚した旧来のものから,近年注目されているBarrett UniversalⅡ式などの光学式眼軸長測定に基づくものへの移行が進むと予想される。しかしながら,生体計測装置やIOL 度数計算式が進歩してもなお,測定値や計算結果として示される値は回帰式や理論値を多分に内包したものであることに変わりはなく,測定方式・機種が異なれば測定値に差異が生じる。したがって白内障手術時のIOL 度数選択においては,使用する測定装置の特性に留意する必要がある。
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