診療
肺病変をきたした多包虫症の検討
富田 唯
1
,
佐々木 智章
,
八巻 利弘
,
渡邊 尚史
,
藤本 弥臣
,
石戸谷 俊太
,
高林 江里子
,
Nabaa Basim Jabber
,
高橋 康二
,
高田 延寿
,
岩木 宏之
,
橋口 仁喜
1旭川医科大学 放射線医学講座
キーワード:
骨疾患
,
MRI
,
石灰沈着症
,
脳疾患
,
肺包虫症
,
後向き研究
,
肺嚢胞
,
胸部CT
Keyword:
Bone Diseases
,
Brain Diseases
,
Calcinosis
,
Echinococcosis, Pulmonary
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Retrospective Studies
pp.301-306
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017145739
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CTあるいはMRIを撮像し、経過より多包虫症の肺病変と考えられた6例を対象とした。6例はいずれもCT画像により診断され、1例ではMRIが追加された。また、1例では生検が施行された。全症例で肺病変の一部に石灰化を疑う高吸収値を認めた。また、明らかな造影効果を認めなかった。形態は円形の結節、分葉状や類円形の腫瘤を形成するものなど多様であった。2例(33%)では病変の一部に空洞形成がみられ、3例(50%)では病変内に液体成分が示唆された。1例ではCTで液体濃度を同定できなかったが、MRIのT2WIで高信号域を認め、嚢胞腔内の液体成分が疑われた。5個未満の病変を有したのは3例で、右肺下葉に病変が存在する割合が高かった。また、5個以上の多発病変を有した残りの3例においても同様に右肺下葉に多く分布する傾向がみられた。いずれも肝内に多発する病変または肝を占拠する巨大病変を認め、2例(33%)で骨転移の合併、2例(33%)で脳転移の合併を認めた。
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