特集 膠原病
ステロイドの全身投与を行わずに8年間経過を追えたClinically Amyopathic Dermatomyositisの1例
清原 恵理子
1
,
廣畑 彩希
,
西本 知子
,
花房 崇明
,
池上 隆太
,
濱口 儒人
1地域医療機能推進機構大阪病院 皮膚科
キーワード:
Steroids
,
紅斑
,
多剤併用療法
,
経皮投与
,
Tacrolimus
,
免疫沈降反応
,
無筋炎型皮膚筋炎
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Drug Therapy, Combination
,
Erythema
,
Steroids
,
Tacrolimus
,
Immunoprecipitation
,
Amyopathic Dermatomyositis
pp.163-167
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017215719
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64歳女性。両頬部の紅斑が出現し紹介受診となった。所見では前額部、両頬部と鼻翼周囲に淡い紅斑を認め、両手背にはGottron徴候、全指には爪囲紅斑、爪上皮出血点がみられた。皮疹に対してvery strongクラスのステロイド剤とタクロリムス軟膏の外用を開始したが、長時間の散歩後、ヘリオトロープ疹、Vネックサイン、躯幹・四肢に浮腫性紅斑が出現した。受診時、筋原性酵素の軽度上昇を認めたが、筋炎の診断には至らず、特異的な皮疹を認めるも筋症状を欠くclinically amyopathic dermatomyositisが考えられた。その後、皮膚症状は軽快・再燃を繰り返し、多形皮膚萎縮が主体となったが、タクロリムス軟膏の外用で徐々に軽快した。全経過中、光線過敏症はなく、間質性肺炎や悪性腫瘍の合併もみられず、現在も経過観察中である。
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