綜説
小児の機能性消化管疾患 Rome IV改訂のポイント
中山 佳子
1
1信州大学 医学部小児医学教室
キーワード:
Polyethylene Glycols
,
食事療法
,
鑑別診断
,
Ramosetron
,
Non-Ulcer Dyspepsia
,
過敏性腸症候群
,
成長曲線
,
Acotiamide
Keyword:
Diet Therapy
,
Diagnosis, Differential
,
Polyethylene Glycols
,
Irritable Bowel Syndrome
,
Growth Charts
,
Ramosetron
,
Z 338
pp.569-574
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017267931
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小児の機能性消化管疾患について、2016年に刊行されたRome IVの改訂のポイントをふまえ、病態、鑑別、治療法を中心に概説した。小児の機能性疾患は、患者と家族の生活の質に多大な影響を及ぼし、長期的には成人への疾患の持ち越しという大きな課題があることを十分認識して診療にあたる必要がある。また、炎症性腸疾患や好酸球性胃腸炎の小児症例は明らかに増加の傾向にあり、すべての小児科医が腹部症状の鑑別診断として認知すべきである。このような器質的疾患が否定しきれないと判断された場合は、消化器内視鏡検査の適応を考慮し、専門医への紹介を早期に検討する。機能性消化管疾患の治療では、病態を患者と家族にわかりやすく説明し、危険な病気ではないことを保証しつつ、学校や家庭環境整備を含む生活習慣の見直し、薬物療法、食事療法からなる総合的アプローチが原則となる。
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