症例
周期性嘔吐症候群と診断されていた間欠的水腎症の男児例
金井 宏明
1
,
水間 悟氏
,
佐藤 広樹
,
武井 義親
1諏訪中央病院 小児科
キーワード:
Acetone
,
誤診
,
MRI
,
鑑別診断
,
超音波診断
,
腎盂
,
水腎症
,
腹部X線診断
,
アセトン血性嘔吐症
,
腎盂形成術
Keyword:
Acetone
,
Diagnosis, Differential
,
Diagnostic Errors
,
Hydronephrosis
,
Kidney Pelvis
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography, Abdominal
,
Ultrasonography
pp.411-415
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017220929
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5歳6ヵ月男児。腹痛、嘔吐を主訴とした。5ヵ月前から2週間に1回の頻度で腹痛と嘔吐を繰り返し、3ヵ月前に周期性嘔吐症候群と診断されてから輸液療法を計6回施行されていたが、今回は輸液療法でも腹痛が持続するため入院した。ヒドロキシジン使用にて就寝可能であったが、入院2日目早朝から再度、間欠的腹痛が出現し、胆汁性嘔吐も認めた。腹部超音波検査で左腎皮質が高度に菲薄化した腎盂拡大所見を認め、間欠的水腎症と診断し、腹部MRIでは腎盂尿管移行部狭窄の所見であった。MRI施行時にケタミンを使用後はアセトアミノフェンを6時間毎に使用し、輸液を中止した。入院2日目夜から腹痛は改善し始め、3日目朝には完全に消失して退院した。腹痛消失後の腹部超音波検査では腎盂拡大は軽快していたが、左腎皮質の菲薄化は残存していた。2週間後に腎盂形成術を施行し、その後反復する腹痛発作は認めていない。
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