連載 話したくなる 整形外科 人物・用語ものがたり
第9回
「欠けない月はわが瞳のせい?:文字文化の始まりと糖尿病と藤原道長」
小橋 由紋子
1
1東京歯科大学市川総合病院放射線科
pp.488-489
発行日 2023年4月19日
Published Date 2023/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001355
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日本の歴史のなかで必ず勉強する平安時代の有名人,藤原道長。彼は現存する資料から最古の糖尿病患者であると考えられている。平安時代(794~1185年)初めはちょうど日本語のひらがな,カタカナが作られた頃である。漢字から非常に読み書きしやすい文字になり,なおかつこれより100年ほど前に紙の作り方が日本に伝えられたため,紙に文字を書いて表現するという行為が平安貴族のなかでも特に女性に広がったとされる。清少納言の『枕草子』や紫式部の『源氏物語』などはそのよい例である。もちろん,貴族男性も漢字だけではなく日本独特のひらがな,カタカナも使用したと思われる。ちなみに,藤原道長の書いた『御堂関白記』は日本最古の直筆日記であり,国宝であり世界記憶遺産である。
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