特集 野球肩診療の最前線
野球肩の手術適応と手術のポイント
高橋 憲正
1
1船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センター
キーワード:
SLAP病変(superior labrum anterior and posterior lesion)
,
野球肩(baseball shoulder)
,
スポーツ完全復帰(return to prier performance1;RTPP)
Keyword:
SLAP病変(superior labrum anterior and posterior lesion)
,
野球肩(baseball shoulder)
,
スポーツ完全復帰(return to prier performance1;RTPP)
pp.1076-1083
発行日 2021年10月19日
Published Date 2021/10/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000753
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成人の投球障害肩の手術適応とその実際について述べる。機能障害が改善した後も,外転外旋位で痛みが誘発される症例を手術適応としている。手術は関節唇や腱板関節面の損傷部位をクリーニングし外転外旋位での陥頓を除去する。剥離した前上方の関節唇は縫合により,関節唇を安定化させるとともに中関節上腕靱帯(middle glenohumeral ligament;MGHL)の緊張化が得られる。本術式の完全復帰率は,71%で米国からの報告に比べ同等以上の成績であった。近年米国では,SLAP病変(superior labrum anterior and posterior lesion)に対して二頭筋腱固定が試みされているが,ハイレベルの野球選手においては,満足のいく成果が得られていない。
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