特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
他科コンサルト 二次性高血圧はいつ疑って、どう評価するのか?
西尾 亮
1
1兵庫県立柏原病院 内科
キーワード:
Cushing症候群
,
睡眠時無呼吸症候群
,
褐色細胞腫
,
高アルドステロン症
,
高血圧
,
高血圧-腎血管性
,
鑑別診断
,
副腎腫瘍
Keyword:
Adrenal Gland Neoplasms
,
Cushing Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Hypertension
,
Hypertension, Renovascular
,
Hyperaldosteronism
,
Pheochromocytoma
,
Sleep Apnea Syndromes
pp.216-221
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029972
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症例
「34歳女性,高血圧合併妊娠で出産後も血圧165 / 90 mmHgと高値を認めています」 と産婦人科医師からコンサルトを受けた。初診時の採血では腎機能は正常で血清K値は 3 . 6 mEq/Lであり,血清K値が低めと判断し原発性アルドステロン症と腎血管性高血圧症 の可能性を考えて,追加の採血と腎動脈エコーを行った。すると,腎動脈狭窄は認めなかっ たが,血漿レニン活性0 . 2 ng/mL/時,血漿アルドステロン濃度120 pg/mLと原発性アル ドステロン症を疑う所見であり,追加でカプトプリル負荷試験とフロセミド立位負荷試験, 腹部CTを行った。負荷試験はどちらも陽性であり,腹部CTでは明らかな副腎腫瘍を認め なかった。そこで副腎静脈サンプリングを行い,左副腎に原因があると診断。副腎不全の リスクなども説明したうえで左副腎摘出を行い,その後降圧薬を使用せずに正常血圧を維 持できる状態となっている。
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