特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
救急外来(心原性ショック) rule-in ショック 心原性ショックをほかのショックと鑑別するにはどの所見が頼りになるか?すぐに行うべき検査は?
小畑 礼一郎
1
,
下山 京一郎
1Mt. Sinai Bath Israel内科
キーワード:
病院救急医療サービス
,
ショック-心原性
,
鑑別診断
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Emergency Service, Hospital
,
Shock, Cardiogenic
pp.127-130
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029954
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一つの陽性・陰性所見でショックを鑑別することは困難である。むしろ致死率が高い病態 であることから,まずはショックを見逃さないことを念頭に,基本に忠実に,病歴,バイ タルサインの確認,身体診察,採血・画像検査を並行して行いながら,結果の組み合わせ から鑑別を行う。例えば,意識障害はショックによる脳循環不全の症状として現れること があり,主訴や救急要請の理由が意識障害である場合に,実はショックの所見として意識 障害を起こしていたという場合が考えられる。意識障害の場合には一般的に低血糖,手術 適応のある頭蓋内疾患や髄膜炎が否定されればほかの鑑別は比較的落ち着いて実施できる が,ショック状態の場合には原因に関係なく,治療結果の改善に寄与するのはショックの 認識までの時間とショックへの治療介入までの時間であるといわれており1),ショックを 脱するまで急ピッチで診療を継続することになる。
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