特集 植込みデバイスによる不整脈・心不全の診断・治療はどう変貌したか-現状と将来の展望-
診る 失神原因検索デバイスとしてのICM
河野 律子
1
,
安部 治彦
1産業医科大学 医学部不整脈先端治療学
キーワード:
失神
,
長時間心電図
,
心房細動
,
植込み型電極
,
脳梗塞
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Electrodes, Implanted
,
Syncope
,
Electrocardiography, Ambulatory
,
Brain Infarction
pp.135-142
発行日 2017年2月9日
Published Date 2017/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017130938
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わが国では,2009年10月より原因不明の再発性失神患者に植込み型ループ式 心電計(implantable loop recorder;ILR)が使用可能となり,保険適応基準は 「短期間に失神発作を繰り返し,その原因として不整脈が強く疑われる患者で, 心臓超音波検査および心臓電気生理学的検査(心電図およびHolter心電図を含む) などにより,その原因が特定できない患者に対する原因究明の目的」となってい る。失神の原因疾患のなかでも予後不良とされる心原性失神の除外は最重要であ り,ILRの有用性はすでに大規模臨床試験の結果からも示されている。一方で, わが国でのILRの使用頻度は欧米に比べ非常に少ない。2016年9月1日より小 型化され差し込み式のinsertable cardiac monitor(ICM)が使用可能となり, 体形や年齢を問わず使用しやすくなっている(図1,2)。また,新たに潜因性脳 梗塞患者に対する心房細動検出が保険適応となった。本稿では,ICMの実際の利 用方法について述べる。
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