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頭蓋内病変の画像所見スペクトラム(第7回) 脊髄小脳失調症31型MIMIC 顕著な純小脳萎縮を示す疾患の鑑別
中井 雄大
1
1東京大学 大学院医学系研究科放射線医学講座
キーワード:
Phenytoin
,
運動失調症-毛細血管拡張性
,
運動失調症-小脳性
,
眼球運動障害
,
MRI
,
鑑別診断
,
腫瘍随伴性小脳変性症
,
脊髄小脳失調症
,
低アルブミン血症
,
小脳萎縮
,
脊髄小脳失調31型
Keyword:
Ataxia Telangiectasia
,
Cerebellar Ataxia
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Phenytoin
,
Ocular Motility Disorders
,
Paraneoplastic Cerebellar Degeneration
,
Hypoalbuminemia
,
Spinocerebellar Ataxias
,
Spinocerebellar Ataxia 31
pp.617-622
発行日 2019年5月26日
Published Date 2019/5/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2019248637
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脊髄小脳失調症31型の概説
脊髄小脳失調症31型(spinocerebellar ataxia 31;SCA31)は,優性遺伝性 脊髄小脳変性症(autosomal dominant cerebellar ataxia;ADCA)の1つで, 高齢発症でほぼ純粋な小脳性失調を特徴とする。日本固有の疾患であり,特に長 野県に集中している。わが国でのADCAはSCA3,SCA6の順に多く,歯状核赤 核淡蒼球ルイ体萎縮症とSCA31がこれに次ぐ。SCA31の発症はほぼ小脳症状に 限局し,歩行障害や構音障害などで発症する。数少ない小脳外症状として,両側 の感音性難聴をきたす例があるが,加齢性の変化ではないかという意見もある。 50 〜70歳代での高齢発症が多いため,家族歴がマスクされやすく,その場合は 皮質性小脳萎縮症と間違われやすい。画像的には小脳上面優位に萎縮がみられ, 特に虫部で目立つが,脳幹は保たれる。通常異常信号はきたさない。
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