特集 もう迷わない! 循環器薬物処方〜若手医師へ贈る熟練医の処方の考え方
III 実臨床で迷うことがある病態での薬物治療の実際
3. 妊娠時に重症高血圧が認められた患者での周産期の降圧療法~実際にどのように行っているか?
加藤 徹
1
,
野出 孝一
2
1国立病院機構栃木医療センター臨床研究部
2佐賀大学医学部内科学主任教授 循環器内科
キーワード:
妊娠高血圧症候群
,
高血圧合併妊娠
,
妊娠高血圧
,
レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬
Keyword:
妊娠高血圧症候群
,
高血圧合併妊娠
,
妊娠高血圧
,
レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬
pp.131-134
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001404
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厚生労働省の2020年人口動態調査によると,日本人女性の第1子平均出産年齢は30.7歳で,高血圧を有する妊婦も増加傾向にある。高血圧診察をする医師は妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)とその降圧治療方針について理解を深めておく必要がある。HDPは母児ともに危険を伴う。近年,レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の処方機会が増えているが,RAS阻害薬は胎児をさまざまな危険にさらすとの報告があるため,妊婦や妊娠の可能性のある女性に使用せず,服用中は妊娠を避けるように指導し,服用中に妊娠が判明した場合はただちに中止する。
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